2016年07月11日

vol.27 TOKYOポエケット レポート

一人書店も、あんがい一人じゃない

第20回TOKYOポエケット、無事終了いたしました。
ご来場くださった皆様、出店者の皆様、主催者の皆様ありがとうございました。

今回、写真を撮るのを完全に忘れていたため、画像を1枚もアップできないという当サイト始まって以来のお粗末な事態に。面目次第もございません。最近どうも色々抜けてまして、私生活でも。だけど写真撮るの忘れるくらいで済んでよかったです、財布忘れるとか出品する本を家に忘れるとかポエケットに行くの忘れるとかじゃなくてよかったです。オリジナルTシャツまで展示した豪華なブースや、春からの激ヤセで調子に乗った若づくりコスチュームなどをお目にかけられず残念ですが。

梅雨の晴れ間となった今回は来場者も去年より多く、2種の新刊だけでなく既刊本もちらほらと売上が。ポエケットはやはり本気なお客様が多いので、ブースに置いてある本を全部一通り立ち読みしてくださる方が何人もいらっしゃって嬉しかったです。
しりとりも進みました!回文作家の方が回文でしりとってくださったり、ポエケットならではの濃い内容のしりとり!でもまだ最後のページまではいきませんでしたので、「大トリ賞」は次回以降の一人書店に持ち越しです。

半分私事ですが、今回は旧い友人が2人、遠方から訪れてくれて、どちらの友人もポエケットに来てくれるとは全く予想していなかったので、顔を見てもすぐには誰だか分からないという大変失礼なことになってしまったのですが(そういうことってありますよね?ね?!)、ものっっっすごく嬉しくて、ああ、長く続けてきてよかったなあと思いました。それと今回初めてポエケットの打ち上げに出席させていただき、初めて出会った方や、今までポエケットでお顔だけは知っていたような方たちと、お酒とお喋りの楽しいひとときを過ごしました。作品を作ることと発表すること、そのことだけを研ぎ澄ましていけばいいんじゃウラァ、とか思って今までやってきちゃった感じなのですが、作品を作ったり発表したりしている間に、私のごとき一人書店のまわりにも、たくさんの方たちがいてくださり、いろんな結び目が、気がつかない所にもできていたりするんだな、やっぱり、長くやってきてよかったなと思いました。

まだまだやりますよ!

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2016年05月02日

vol.26 第22回文学フリマ東京 レポート

物々交換が面白すぎた!!!

BF2016S01.jpg第22回文学フリマ東京、終了しました。ご来場下さった皆様、ご出展者の皆様、主催・スタッフの皆様ありがとうございました。

今回、事前にお知らせしました通り、既刊『愛という教養、サムシング』在庫一掃のため、物々交換オンリーとさせていただきました。これが、もうねえ…笑いが止まらぬ面白さ。面白くなりそうだとは思っていましたが、まさかここまで面白いとは!しかも終了時間を待たずして在庫38冊が全部ハケてしまいました。夕方になって訪れてくださった方には「すいませんもう本がないんです」とお断りしなきゃなりませんでした。ぬおぉ。なんだ大人気じゃねーか、こんなことは初めてだ。お金で販売している時にどうしてこういかぬのだ、とはちょっと思いましたが、なによりも、物々交換ということをおもしろがっていただけたようで、皆様に一緒に遊んでいただけて私はたいへん満足です。やってよかった!

BF2016S02.jpg交換していただいた本や品物は、このように「交換成立」のシールを貼ってブースに展示していきました。交換をしてくださった方だけでなく、見るだけでもこれは面白い演し物になっていたようです。何人もの方が写真を撮っていかれました。「面白いね」というお声もたくさんいただきました。

予想通り、出展者の方がご自分の作品を持ってこられ、内容などアピールしてくださり、それを私の本と交換してくださるケースも多かったです。私は文学フリマで買い物する時、やはり詩歌の本が多いのですが、物々交換だといつもはあまり見ない小説や、エロいのや、いろんなジャンルの本が自動的に集まってきて、私は座ってるだけなのに物々交換スゲー、と思ったことです。

BF2016S03.jpgこちら、フードブース・クルミドコーヒーさんの100%みかんジュース。当ブースのすぐそばだったので、こんなものと交換してくださる方もありました!すごくおいしかった!

私の作品をあらかじめ知ってくださっていた方も意外と多く、「サムシングは角川(雑誌)で読んだんですが、ちゃんと本で読みたいと思って」などと言ってくださる方もあり、嬉しかったですし、また私が誰で『愛という教養、サムシング』に何が書いてあるのかさえ意に介さず、ただ物々交換という遊びを遊んで下さった方も多く…どっちが多かったのかな?どっちも嬉しい。面白いことが、次の面白いことにつながったり、誰かの面白いことの発端になったりしていけば、なんか全体的に世界が面白くなるじゃないですか。
「いやあ、同人ってこういうふうにあるべきですよね」としみじみ言って下さった方もありました。

BF2016S04.jpgそして完パケ(「完全パッケージ」じゃなく「完全にハケた」ってことです)。
お一人だけ、どうしても交換するものがないので、と現金で買って下さった方があったので、売上金額は400円。出店料・宅急便代・交通費等を考えると大赤字なんですが、私の手元にはこれから読めるたくさんの本と、おいしいものと、おもしろい品物と、楽しい気持ちと、次も何か面白いことを考えようという活力が残りました。よかった、半額処分のさらに半額処分、とかで販売していたらこんな宝は残らなかっただろうし在庫もハケなかったに違いない。

物々交換があまりに面白かったので、交換していただいたブツを洗いざらいここに公開してみます。用意した本38冊に対してブツのほうが多いのは、複数持ってきて下さった方があるからです。印象的なコメントなども記してみました。
BF2016S05.jpg1 「嘘ばっかり書いた新聞です」
5 クルミドコーヒーさんの100%みかんジュース「何もないので、あそこで売ってる飲み物の中で飲みたいものありますか?」わーい、じゃあみかんジュースで!
6 きれいな名刺「初めて文学フリマに来ました」
7 イラストレーターなんとかさんが何とかいう雑誌で連載してたときに作ってなんだか限定品だかの貴重なピンバッジ(すいません私の鋼の忘却力にてほぼデータ失念)
8 かわいいブックカバー
9 バッグについてたお気に入りのチャーム「物々交換のために中島らもの本とか持ってくるつもりだったのに忘れた!悔しいぃぃ」
10 キャラメル
11 「じゃあこの…赤ペン先生でいいですか」
12 ボールペン。私は短歌をボールペンで書くので嬉しい。
13 頭痛薬1回分「強い薬なんで必ず水と一緒に飲んで下さい」薬剤師か。
14 「サイリウムがありますよ!今朝新宿のバルト9で朝8時から映画見て来たんですよ。男の子たちがアイドルになって頑張る映画(中略)そのカズキくんっていう子のイメージカラーが緑なんですよ」これみんなで振るわけ?映画館で?つまり…推しメンの応援で?「そうです推しメンの!」てことは使用済みだよな?「使用済みです。僕のパッションが宿ってます。あと数時間は光ります」
BF2016S06.jpg15 小説3巻セット。いいんですか3冊も?「続きものなんで1巻だけっていうのも何ですし」
17 「BL小説なんですけど大丈夫でしょうか?」大丈夫です!「18禁のと、そうじゃないのがあるんですが」18禁がいいなあ!「戦国時代の忍者のやつと、普通のリーマンのがあるんですけど」忍者がいいなあ!「じゃあ忍者のと交換で!」
20 「カントリーマアムならあるけど。え、これと本と交換?いいの?」
21 「なんか却ってすみません」とんでもありません
24 「これさっき他のブースでもらったやつなんです」菓子は天下の回り物
25 「おいしいパンならありますよ。これ私食べようと思ったんですけどね。おいしいんですよ、ブラックコーヒーといっしょに食べるとね」
26 「じゃあこのパンで」私お昼食べてないので助かります!「私も食べてないんですよ」超すいません!皆さんのパンを巻き上げて
27 百円札!板垣退助!すげえ!本物?「本物ですけど100円の価値しかないですよ」
BF2016S07.jpg30 「九州の麦味噌の消費量は減る一方で豆味噌に抜かれたんです」ゆゆしき事ですね(麦味噌大好き)「このたび震災があったので、九州の麦味噌を食べることで支援をしようと。この本は代金はいただいてないんですが、その分くらい、九州の麦味噌を買って食べてくださいということなんです」
37 いろんな名画をタイトルにして書いた小説の本
40 歌会用の詠草プリント。お名前聞かなかったし、無記名なので誰の歌なのか、そもそもどこのどういう歌会なのかもわかりまへん





わたし的にいちばん面白かったのは14のサイリウムです。これはお隣のブース「平井弘非公式アンソロ『他人事』」の方でした。
BF2016S08.jpg帰宅したあともまだ光ってました。
願わくば『愛という教養、サムシング』も、持ち帰られた皆様の胸で光り続けますように。

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2015年11月25日

vol.25 第21回文学フリマ東京 レポート

BF2015winter01.jpgおそらく今年最後の一人書店、「第21回文学フリマ東京」無事終了いたしました。今にも冷たい雨が降り出しそうな曇天のもと、ご来場くださった皆様、主催者の皆様、ありがとうございました。

5月の第20回文学フリマ東京では、過去最高の売上を記録しましたので、「最近停滞気味だと思ってたけど、いけるじゃん文学フリマ!」などと調子に乗った店主はたくさんのアイテムを持参。2013年に企画倒れに終わった歳末大売り出しをおこないましたが、フタをあけてみれば今回はサッパリ売れず!停滞気味だった頃に戻ってしまったかのような寒い結果に終わりました。いや、「戻ってしまった」などと思うのはよしましょう。時は戻りはしないのだから!なんか色々の原因とか要素とか因果とかでこうなったわけでしょう。いちいち気にしないことにします。

BF2015winter02.jpg今回の大売り出しブース。前回多くのお客様にお立ち寄りいただけた、こざっぱりとしたきれいなブースとは打って変わったカオスっぷり。アイテム数を増やしすぎて、お客様から口々に「何人でやってるサークルなんですか?」(※一人です…)と質問されるようになってしまった数年前の反省を、持ち前の忘却力ですっかり忘れ…たわけでもないんですが大売り出しだから多少、ド○キホーテみたいにごちゃごちゃしてたほうが楽しいかと思いまして。
でもやっぱり、半額処分と無料と福袋と、普通の新刊がいっしょに置いてあると、一目では把握しづらいブースになってしまいましたね。パッと見て全貌がわかるブースのほうが、やっぱりお客様としては、近寄りやすいみたいです。遠くから目を細めてじーっとごらんになって(文学ファン、なべて近眼)そのまま立ち去られる方がけっこうありました。加えて今回、店主は風邪で、マスク着用・気分どんより・動作緩慢でしたので、よけいに近寄りがたい雰囲気を醸し出してしまいました。

でも、よかったことももちろんありました。行かないほうがマシな旅などないのです。
旧刊半額処分はともかく、福袋のほうは、正直どうだろうと思っていたのですが(だってほぼ平田真紀の本しか入ってないですからね、それを福と自称してるわけですから)、お買い上げくださった方が何人かありました。しかもちゃんと吟味して、どれにしようか選んでくださいました、超嬉しい!当書店の遊びにおつきあいくださってありがとうございます。あなたがたにはこれから、いろんな福が盛大にドンドコ訪れるでしょう!

そして橘一洋さんの新刊詩集が売れたこと。橘さんの本は当一人書店でしか取り扱っていないもので、イベントによっては持って行かないこともあり、あまり宣伝もできていないのですが、詩の好きな方はちゃんと中身を読んで、そしてお買い上げくださいます。無名な作者の本を、無名なブースで。ありがたいことです。

いま、文学フリマには追い風が吹いて、というかちょっとしたブームにさえなりつつありますね。
すてきなことではありますが、それは、「有名かどうかや、流行かどうかは関係なく、ただ自分の気持ちにぴったりくる作品に出会いたい。読みたい」という読者と、「有名になるかどうかや、流行るかどうかは関係なく、自分がいいと思える作品を作って発表したい」という作者を、すごく地味に自由につなげることのできる場に、人気・流行という強風、時に暴風を吹き込ませることにもなるでしょう。
人気の出るもの、流行するものには、確かにそれだけの力があるのです。しかし、そういう力だけが、文学の力ではないはずです。文学は(あらゆる芸術は)つねに個人対個人の真剣勝負だからです。

当一人書店も、もうちょっと人気が出たり、流行ったりもしたいものですが、自由で地味なところでふんばってやっていきますよ!
あの黄色い本の在庫処分については、また何か面白い売り方を考えます。

posted by ひらたまき at 09:02| Comment(0) | ツアーレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする