2016年05月02日

vol.26 第22回文学フリマ東京 レポート

物々交換が面白すぎた!!!

BF2016S01.jpg第22回文学フリマ東京、終了しました。ご来場下さった皆様、ご出展者の皆様、主催・スタッフの皆様ありがとうございました。

今回、事前にお知らせしました通り、既刊『愛という教養、サムシング』在庫一掃のため、物々交換オンリーとさせていただきました。これが、もうねえ…笑いが止まらぬ面白さ。面白くなりそうだとは思っていましたが、まさかここまで面白いとは!しかも終了時間を待たずして在庫38冊が全部ハケてしまいました。夕方になって訪れてくださった方には「すいませんもう本がないんです」とお断りしなきゃなりませんでした。ぬおぉ。なんだ大人気じゃねーか、こんなことは初めてだ。お金で販売している時にどうしてこういかぬのだ、とはちょっと思いましたが、なによりも、物々交換ということをおもしろがっていただけたようで、皆様に一緒に遊んでいただけて私はたいへん満足です。やってよかった!

BF2016S02.jpg交換していただいた本や品物は、このように「交換成立」のシールを貼ってブースに展示していきました。交換をしてくださった方だけでなく、見るだけでもこれは面白い演し物になっていたようです。何人もの方が写真を撮っていかれました。「面白いね」というお声もたくさんいただきました。

予想通り、出展者の方がご自分の作品を持ってこられ、内容などアピールしてくださり、それを私の本と交換してくださるケースも多かったです。私は文学フリマで買い物する時、やはり詩歌の本が多いのですが、物々交換だといつもはあまり見ない小説や、エロいのや、いろんなジャンルの本が自動的に集まってきて、私は座ってるだけなのに物々交換スゲー、と思ったことです。

BF2016S03.jpgこちら、フードブース・クルミドコーヒーさんの100%みかんジュース。当ブースのすぐそばだったので、こんなものと交換してくださる方もありました!すごくおいしかった!

私の作品をあらかじめ知ってくださっていた方も意外と多く、「サムシングは角川(雑誌)で読んだんですが、ちゃんと本で読みたいと思って」などと言ってくださる方もあり、嬉しかったですし、また私が誰で『愛という教養、サムシング』に何が書いてあるのかさえ意に介さず、ただ物々交換という遊びを遊んで下さった方も多く…どっちが多かったのかな?どっちも嬉しい。面白いことが、次の面白いことにつながったり、誰かの面白いことの発端になったりしていけば、なんか全体的に世界が面白くなるじゃないですか。
「いやあ、同人ってこういうふうにあるべきですよね」としみじみ言って下さった方もありました。

BF2016S04.jpgそして完パケ(「完全パッケージ」じゃなく「完全にハケた」ってことです)。
お一人だけ、どうしても交換するものがないので、と現金で買って下さった方があったので、売上金額は400円。出店料・宅急便代・交通費等を考えると大赤字なんですが、私の手元にはこれから読めるたくさんの本と、おいしいものと、おもしろい品物と、楽しい気持ちと、次も何か面白いことを考えようという活力が残りました。よかった、半額処分のさらに半額処分、とかで販売していたらこんな宝は残らなかっただろうし在庫もハケなかったに違いない。

物々交換があまりに面白かったので、交換していただいたブツを洗いざらいここに公開してみます。用意した本38冊に対してブツのほうが多いのは、複数持ってきて下さった方があるからです。印象的なコメントなども記してみました。
BF2016S05.jpg1 「嘘ばっかり書いた新聞です」
5 クルミドコーヒーさんの100%みかんジュース「何もないので、あそこで売ってる飲み物の中で飲みたいものありますか?」わーい、じゃあみかんジュースで!
6 きれいな名刺「初めて文学フリマに来ました」
7 イラストレーターなんとかさんが何とかいう雑誌で連載してたときに作ってなんだか限定品だかの貴重なピンバッジ(すいません私の鋼の忘却力にてほぼデータ失念)
8 かわいいブックカバー
9 バッグについてたお気に入りのチャーム「物々交換のために中島らもの本とか持ってくるつもりだったのに忘れた!悔しいぃぃ」
10 キャラメル
11 「じゃあこの…赤ペン先生でいいですか」
12 ボールペン。私は短歌をボールペンで書くので嬉しい。
13 頭痛薬1回分「強い薬なんで必ず水と一緒に飲んで下さい」薬剤師か。
14 「サイリウムがありますよ!今朝新宿のバルト9で朝8時から映画見て来たんですよ。男の子たちがアイドルになって頑張る映画(中略)そのカズキくんっていう子のイメージカラーが緑なんですよ」これみんなで振るわけ?映画館で?つまり…推しメンの応援で?「そうです推しメンの!」てことは使用済みだよな?「使用済みです。僕のパッションが宿ってます。あと数時間は光ります」
BF2016S06.jpg15 小説3巻セット。いいんですか3冊も?「続きものなんで1巻だけっていうのも何ですし」
17 「BL小説なんですけど大丈夫でしょうか?」大丈夫です!「18禁のと、そうじゃないのがあるんですが」18禁がいいなあ!「戦国時代の忍者のやつと、普通のリーマンのがあるんですけど」忍者がいいなあ!「じゃあ忍者のと交換で!」
20 「カントリーマアムならあるけど。え、これと本と交換?いいの?」
21 「なんか却ってすみません」とんでもありません
24 「これさっき他のブースでもらったやつなんです」菓子は天下の回り物
25 「おいしいパンならありますよ。これ私食べようと思ったんですけどね。おいしいんですよ、ブラックコーヒーといっしょに食べるとね」
26 「じゃあこのパンで」私お昼食べてないので助かります!「私も食べてないんですよ」超すいません!皆さんのパンを巻き上げて
27 百円札!板垣退助!すげえ!本物?「本物ですけど100円の価値しかないですよ」
BF2016S07.jpg30 「九州の麦味噌の消費量は減る一方で豆味噌に抜かれたんです」ゆゆしき事ですね(麦味噌大好き)「このたび震災があったので、九州の麦味噌を食べることで支援をしようと。この本は代金はいただいてないんですが、その分くらい、九州の麦味噌を買って食べてくださいということなんです」
37 いろんな名画をタイトルにして書いた小説の本
40 歌会用の詠草プリント。お名前聞かなかったし、無記名なので誰の歌なのか、そもそもどこのどういう歌会なのかもわかりまへん





わたし的にいちばん面白かったのは14のサイリウムです。これはお隣のブース「平井弘非公式アンソロ『他人事』」の方でした。
BF2016S08.jpg帰宅したあともまだ光ってました。
願わくば『愛という教養、サムシング』も、持ち帰られた皆様の胸で光り続けますように。

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2015年11月25日

vol.25 第21回文学フリマ東京 レポート

BF2015winter01.jpgおそらく今年最後の一人書店、「第21回文学フリマ東京」無事終了いたしました。今にも冷たい雨が降り出しそうな曇天のもと、ご来場くださった皆様、主催者の皆様、ありがとうございました。

5月の第20回文学フリマ東京では、過去最高の売上を記録しましたので、「最近停滞気味だと思ってたけど、いけるじゃん文学フリマ!」などと調子に乗った店主はたくさんのアイテムを持参。2013年に企画倒れに終わった歳末大売り出しをおこないましたが、フタをあけてみれば今回はサッパリ売れず!停滞気味だった頃に戻ってしまったかのような寒い結果に終わりました。いや、「戻ってしまった」などと思うのはよしましょう。時は戻りはしないのだから!なんか色々の原因とか要素とか因果とかでこうなったわけでしょう。いちいち気にしないことにします。

BF2015winter02.jpg今回の大売り出しブース。前回多くのお客様にお立ち寄りいただけた、こざっぱりとしたきれいなブースとは打って変わったカオスっぷり。アイテム数を増やしすぎて、お客様から口々に「何人でやってるサークルなんですか?」(※一人です…)と質問されるようになってしまった数年前の反省を、持ち前の忘却力ですっかり忘れ…たわけでもないんですが大売り出しだから多少、ド○キホーテみたいにごちゃごちゃしてたほうが楽しいかと思いまして。
でもやっぱり、半額処分と無料と福袋と、普通の新刊がいっしょに置いてあると、一目では把握しづらいブースになってしまいましたね。パッと見て全貌がわかるブースのほうが、やっぱりお客様としては、近寄りやすいみたいです。遠くから目を細めてじーっとごらんになって(文学ファン、なべて近眼)そのまま立ち去られる方がけっこうありました。加えて今回、店主は風邪で、マスク着用・気分どんより・動作緩慢でしたので、よけいに近寄りがたい雰囲気を醸し出してしまいました。

でも、よかったことももちろんありました。行かないほうがマシな旅などないのです。
旧刊半額処分はともかく、福袋のほうは、正直どうだろうと思っていたのですが(だってほぼ平田真紀の本しか入ってないですからね、それを福と自称してるわけですから)、お買い上げくださった方が何人かありました。しかもちゃんと吟味して、どれにしようか選んでくださいました、超嬉しい!当書店の遊びにおつきあいくださってありがとうございます。あなたがたにはこれから、いろんな福が盛大にドンドコ訪れるでしょう!

そして橘一洋さんの新刊詩集が売れたこと。橘さんの本は当一人書店でしか取り扱っていないもので、イベントによっては持って行かないこともあり、あまり宣伝もできていないのですが、詩の好きな方はちゃんと中身を読んで、そしてお買い上げくださいます。無名な作者の本を、無名なブースで。ありがたいことです。

いま、文学フリマには追い風が吹いて、というかちょっとしたブームにさえなりつつありますね。
すてきなことではありますが、それは、「有名かどうかや、流行かどうかは関係なく、ただ自分の気持ちにぴったりくる作品に出会いたい。読みたい」という読者と、「有名になるかどうかや、流行るかどうかは関係なく、自分がいいと思える作品を作って発表したい」という作者を、すごく地味に自由につなげることのできる場に、人気・流行という強風、時に暴風を吹き込ませることにもなるでしょう。
人気の出るもの、流行するものには、確かにそれだけの力があるのです。しかし、そういう力だけが、文学の力ではないはずです。文学は(あらゆる芸術は)つねに個人対個人の真剣勝負だからです。

当一人書店も、もうちょっと人気が出たり、流行ったりもしたいものですが、自由で地味なところでふんばってやっていきますよ!
あの黄色い本の在庫処分については、また何か面白い売り方を考えます。

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2015年07月07日

vol.24 第19回TOKYOポエケット レポート

レポート遅くなりました。第19回TOKYOポエケット、無事終了いたしました。
雨の中ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
主催者の皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

7月5日は一日じゅう雨。じめじめとして肌寒く、いかにも出かけたくない天候でした。そのためか、例年に比べて人出の少ないポエケットでした。

24TPK01.jpg今回のブースです。
私の新刊『庇』と既刊『外部天井』。橘一洋さんの『債務の整理』と『レモン小路』、以上が詩集。左側に見えるクラフト封筒の一群が、一昨年の「詩のお楽しみ袋」残部半額処分(50円!)。あとはそろそろラストスパートに入りつつある「さすらいのしりとりブック」(右奥)。

あんまり、というか全然詩人仲間もいず、人気もない当店は、人出が少ないぶんだけダイレクトにお客様が少なくなりまして、売上としては微々たるものでしたが、それでも「わ、この人が私の本買ってくれた!」という驚きやうれしさ、訪れてくれた人と詩や詩集について話のできるたのしさなどは、詩人のあつまるポエケットならでは。今年も楽しいひとときをすごしました。

私はこの10年ほどは短歌中心の活動をしていますが、今回は短歌の本を1冊も持って行きませんでした。何回かポエケットに参加して思うに、ポエケットではやっぱり短歌や俳句より詩のほうが人気あります。詩ばっかりの中に一つ二つ、短歌や俳句のブースがあるのも楽しいとは思いますが、私はせっかく詩も書いているし、じつは詩のほうが短歌より前からやっているし、いつも歌人の顔してるけど心おきなく詩人の顔ができるのも楽しいので今回そうしてみました。
動機としてはたいしたものじゃないつもりでしたが、平田真紀が短歌の本を全然持って行かないというのは、世間的にはどうでもいいこととは申せ、けっこうな冒険だったなと後から思っています。
歌人だからって、詩人をやめなきゃいけないわけじゃないんですものね。

24TPK02.jpgそれと、これは前からそうだったのかどうか、あまりチェックできてなくてあれなんですが、今回はブースが「見本誌コーナー」の真横だったのでよく見え、ポエケットの「見本誌コーナー」はガッツリ座り読みができるんだということを知りました!
どうですか!この真剣な座り読みっぷり!常時何人もの方が、座り読みや立ち読み、ザッピング、なぜかご自分好みに並べ替え、などをしてらっしゃいました。文学フリマくらい大規模なイベントだと、見本誌コーナーに椅子を置くのは無理でしょうが(人が多すぎるので通行を阻む椅子は危険)、コンパクトな開催のポエケットではこんなことができるんですね。じっくり本を吟味できますね。

それと、ポエケットでは毎回、朗読のライブがあるんですが、そのときもご来場の方には、そこらへんに余っている椅子を適当に出して、座っていただけます。いちいち比較してあれですが文学フリマでは、各ブースの椅子の数まで事前申告制で、あとから人が増えたから椅子を貸してくれって言ってもだめなんです(しょうがないことですが)。そういうフレキシブルさもポエケットのいいところ。あとは、今回新刊のおまけに美味しいものをおつけしましたが、そうしたことも一切禁止のイベントが多い中、ポエケットではあまりうるさいことを言わないでくれます。これも主催者の目が行き届くくらいの規模で行われているからこそでしょう。

しかし、いつも同じ事を書いている気もしますが、そういうコンパクトな、詩人のサロンのようなポエケットは、一般のお客さんが少なく、いまひとつ風通しがよくない感じがするのも事実です。ポエケットのいいところを上手に活かしながら、出店者はまだまだ面白いことが考えられるはず。本づくり、見せ方、売り方、すべてにおいて。
一人書店ももっと面白くしないといけません。サロンの居心地よさに甘えてばっかりではね。次回はまた何か面白い企画を考えたいと思います。

posted by ひらたまき at 21:43| Comment(0) | ツアーレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする