2012年05月07日

vol.5 第14回文学フリマ レポート

文学フリマなのに、文学を探すの、大変。
BF_Report02.jpg昨日は第14回文学フリマに、多数の御来場まことにありがとうございました!写真はまだ準備中の風景なので関係者しか写っていませんが、お客様でにぎわう会場は、そりゃあもうすごい熱気でした。この熱気はビルの電気工事の都合で空調が使えなかったため、ばかりではありません!





BF_Report01.jpg私のブースはこんな感じ。いつもの「一人書店ラック」よりは大きいが、それでも私の新刊歌集、橘一洋さんの新刊詩集、その他既刊本、しりとりブックなど並べると、いっぱいいっぱいです。

文学フリマは、かつては秋葉原の小さいビルでやっていて、その後、蒲田の大田区産業プラザという大きな会場に移り、さらに第13回(昨年秋)からはモノレールに乗らなきゃ行けない、遠くてデカい東京流通センターに移りました。
私は秋葉原の頃から参加していますが、年々、本が売れなくなります。
それは私の作品が年々、魅力を失ってきているからとか、私自身が年々、魅力を失ってきているから、とかのせいだとは思いたくない。いや、年々老けていってるのは事実としても!秋葉原の頃はタンクトップで接客してたのに今は長袖Tシャツだとかそういうことは否めないとしても!
今年の売上は過去最低、信じられないほどの低調で、文学イベントでもなんでもない「かつぬま朝市」のほうが売れたくらいなのです。

参加するたびに、「去年よりも売れなくなったな」と感じて今に至ります。そして参加するたびに「薄い人が増えたな!」と感じます。髪の薄い人ではない(それは私だ)。本当に文学が好きで、ふつうの書店で売っている作品に飽きたらず、もっと自分が本当に読みたいと思える作品はないのか、と本気で探しに来るお客さんや、本当に自分の作品を信じて本を作り、本気で読んでくれる人に売りたいと思って出展する作者など、秋葉原でやっていた頃には、文学フリマはそんな人しか来ない、濃いイベントでした。
こちらも真剣ならお客さんも真剣。切るか切られるか、という世界で、いきなり論戦を挑んでくるお客さんや、じっくりじっくり立ち読みした挙げ句に買わずに立ち去るお客さんや、もちろんじっくり立ち読みした挙げ句に2冊も買っていってくださるお客さんなんかがいて、おおっ、試されてるな、と興奮したものです。お客さんの目つきが違いました。みんな鋭い、ハンターの目をしていました。こちらから声なんかかけなくても、ズイと寄ってきて、ガシッと本を手にとって、内容を確かめる、そんなお客さんが多かったんです。今年、そんな方はほんの数えるほどでした。

文学フリマは、どんどん規模が大きくなるにつれて、こう言っては何だがあえて言うと、ぬるいサークル活動みたいな、作品を作ることよりも仲間と盛り上がるのが楽しいみたいな出展者が増えに増え、お客さんも「友達が出てるから顔見にきた」みたいな人が増えに増え、どんどん、文学と関係ない、学園祭みたいな、もっと言うとネットのオフ会みたいなイベントになってきたと感じています。これでは本気のお客さんも、ぬるい大海原の中から読みたいものを探すのが大変すぎて、足が遠のいてしまうだろうなと思います。

これは文学フリマの運営方法が悪いというのではなく、ある程度の時代的必然なのかもしれません。しかし、私は悲しいです。本が売れないからだけではなく!どうにかして秋葉原の頃みたいな、骨太な、オシャレじゃない、なりふりかまわない、魂の叫びみたいな場をまた実現させてほしい、文学フリマ事務局にはそういう方向で知恵を絞ってもらいたいと思っています。

そんな中、私のブースにお立ち寄りくださり、ズイと本を手に取り、そしてお買いあげ下さった皆様。本当に本当にありがとうございました。
posted by ひらたまき at 21:20| Comment(0) | ツアーレポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月01日

一人書店TOUR vol.5 第14回文学フリマ

ツアーロゴ01.jpg

一人書店TOUR VOL.5
第14回 文学フリマ


5月6日(日)
東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
(東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分)
11:00〜16:00
入場無料


文学フリマ公式サイトに交通アクセス情報・会場地図等があります。
一人書店ブースは2階・Fホールのエ-23です。

一人書店TOURのvol.1は一年前の文学フリマでした。なんかあんまり遠方へ「旅」できずに一年たってしまってますが(汗)、vol.5の今回は新刊もひっさげて!更に巨大になった会場に殴り込み!(※誇張表現)
皆様のご来場をお待ちいたしております!
posted by ひらたまき at 21:44| Comment(0) | ツアー実施情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月02日

短歌朗読「明日、作る、星」in道展 レポート

短歌朗読「明日、作る、星」
inグループ道展「空中分解予想図」

無事終了いたしました!

report_01.jpgこれが京都市美術館だっ。公立の美術館としては日本で二番目に旧い、伝統ある美術館で、昭和8年につくられたとのことです。ものすごく風格のある建物です。となりの平安神宮にまけない、圧倒的なたたずまいです。こんなところで私が本当にやるのかよと、まずそのたたずまいにやられます。やられますが、やられている場合ではありません。私は、ぶちかましに来たのです!

…と、いいつつ、例によって心の中は不安と心配が暴風雨のように吹き荒れ、京都に着いた3月31日の朝の嵐(折り畳み傘が裏返った)よりも荒れ狂っていましたが、4月1日の本番が近づくにつれてテンションは上がっていき、この2ヶ月あまりの稽古の成果を、お聴かせすることができました。

report_02.jpgとても広い展示室のまんなかで、「アートグループ道」のみなさんの作品にかこまれながらの朗読。天井がとても高く、声がわんわんと響いてしまうこの会場は魔物で、前日のリハーサル時に「細部が聞こえにくいと思って無理に声を張ると、一本調子になるし、最後まで喉がもたないぞ。落ち着いて稽古通りにやるんだ」と肝に銘じていたはずなのに、じっさいにお客様を前にすると、「全部聴かせたい!」という気持ちがまさり、テンションも上がりすぎて、結局声をムダに張り上げてしまいました。それでもやはり細部は聞こえにくかったようです。喉もあんのじょう、やられてしまい、荒れた声をお聴かせしてしまいました。
やられてるじゃん
しかし!写真のように、思った以上に多くのお客様が、思い思いの姿勢で、ゆるやかに朗読者(私ですね)をとりかこみながら、最後まで熱心に耳を傾けてくださいました。

report_03.jpgかたわらに鉄琴を置いて、朗読のはじめと終わりに鳴らしました。鉄琴の音は、この魔の会場の中でも非常によく通り、みなさんに「いいな」と思っていただけたようで、私の朗読が最後まで無事にいけたのも鉄琴のおかげかも……。ありがとう鉄琴!おもちゃの3000円くらいの鉄琴だけど、これからも私の朗読を助けておくれ。

パフォーマンス全体は、まず始めに4歳の古川喜大くんの「呪文行動」があって、そのあとで私の短歌朗読、最後に古川悦子さんの声楽という流れでした。
「呪文行動」はお父さんである古川勝也さんの作品・ずらりと並んだ段ボール製の黒い仏壇群を前に、4歳の喜大くんが次々にお祈りしていくというものでした。彼は「やりなさい」と言われてやっているのではなく、そこに仏壇があるから拝むのだ、という自然な自発的な行動なのです。りんに見立てたさまざまな材質の鳴り物を思いのままに鳴らしながら拝んでいく彼の、作為や仕込みのない、まさにライブ、まさに「今ここで、これが起こっている」というパフォーマンスは驚異でした。お客さんも少し離れたところで、楽しみながら、そして時には緊張感を持って見守り、彼が移動するのにあわせてお客さんの波もゆるやかに移動する。川のように自然な流れ。縛りや強制のない、なんだかとてもいいものがそこにあらわれたような感じでした。

そのあとで私の朗読。「明日、作る、星」は、短歌で星を作ろうという野望の連作です。
この世界には、芸術にできることは何もない、という空気があり、とくに昨年の震災の後では顕著になりましたが、その前からも「短歌には人を助けることは出来ない」だとか、そういう空気がまるで当然のように、作り手の心を覆っています。私はそれがいやでたまらず、短歌には人を助けることはおろか、なんだって出来るのだ、天地創造だってできる、いや天地といわず、星だって宇宙だって短歌で作ってやろうじゃないか(但し創造した星が役に立つ素敵な良い星だとは限らないけどね)などと思って作った、頭のおかしい連作です。
私は女性なので国産みよろしく色っぽくやりたかったのですが、テンションが上がりすぎてストールを床にかなぐり捨てて叫び出すありさまで、いかに日頃、色気と無縁に暮らしているか露呈させる結果となりましたが、お客さま方はとても好意的にみてくださり、「感動した!」と言って下さった方、「歌集は今日はないんですか」とたずねてくださった方、なんと色紙を出されて「サインを下さい」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
感謝、感謝、感謝です。

最後は古川悦子さんの「愛の歌」です。
古川悦子さんは美術家であると同時に声楽家でもいらっしいます。ご自身の作品「愛の歌」(愛の歌の断片を書いた短冊状の紙片を透明のベールにたくさん貼り付けた作品)を身にまとって、アカペラで歌われる「ベサメムーチョ」などの歌歌は、艶やかで、エモーショナルで、とても素敵でした。ご主人のたたくボンゴだけを伴奏に、3曲歌われ、最後はお客さんからアンコールがかかって、アップテンポの楽しい歌を歌われました。ライブの盛り上がりは最高潮で、すばらしいフィナーレとなりました。

パフォーマンスをみにきてくださった皆さま、そしてこんなすばらしい機会を私にくださった、グループ道の皆様に心から感謝申しあげます。
「一人書店TOUR」ももちろんやりますが、私の短歌朗読の今後も、どうか楽しみになさってください。
posted by ひらたまき at 22:39| Comment(0) | 単発イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする